平泉文化教育研究部門

平泉文化教育研究部門は平成24年4月1日に設立された岩手大学平泉文化研究センター(以下センター)を中心に運営しています。センターの目的は「仏国土(浄土)の理想郷として造営されたという平泉庭園文化を中心に、平泉文化の意義を総合的に解明すること」にあります。 設立の構想は、平成17年度より採択された「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」という学際的研究の一環として、岩手県教育委員会と共催で「平泉文化フォーラム」などを実施したことにはじまります。その後、「世界遺産・平泉文化の総合的研究の拠点形成」事業として拡充が図られ、28年度から岩手大学三陸復興地域創生推進機構の平泉文化教育研究部門をも担当することとなりました。

平泉に関する研究には多くの蓄積がありましたが、いまだ国際的評価を高めるにはいたっておりません。そこで、当センターは農・理工学部などの理系分野も合わせたオール岩手大学のかたちをとり、平泉に関する研究者及び岩手県、平泉町、いわて高等教育コンソーシアム(岩手大学・岩手県立大学・盛岡大学・富士大学・岩手医科大学等)等の関係機関、さらに海外の諸大学等と連携を図り、これまでの研究成果を踏まえながら、平泉文化を学際的・国際的な観点から研究し、もって平泉文化の国際的意義を明らかにし、「平泉学」としての総合化を目指してきました。このことにより、東アジアにおける平泉文化の国際的意義を解明し、その学術的意義においては中世日本文化および未解明な古代中国庭園文化に関する研究の新展開を図り、併せて平泉文化の普遍性に関する国際理解の一層の進展および地域に立地する文化遺産を活かした地域振興への貢献を図ってまいりました。今後はさらにこれら研究成果を、研究会やシンポジウムの開催、研究紀要の刊行等を通じて社会に還元し、広く地域振興に還元してまいります。

事業展開と実施体制

平泉文化遺構を通してみる東アジアの理想郷研究の進展とその地域への展開を研究するため、日中韓3国の庭園遺跡の系統、影響関係などの比較検討を行います。12世紀の状態をそのままにとどめる平泉の庭園や遺跡群をとりあげ、従来仏教的な「浄土庭園」として扱われてきた苑池構成の深層に潜む儒教・道教文化等の諸相に注目します。

教育学部(歴史学・中国学分野)、人文社会科学部(歴史学分野)、理工学部(理化学的機器分析分野)等の研究者が参画し、平泉研究を多面的かつ分野横断的に行うことで、特色ある事業として主体的に推進していきます。また、実際に平泉の遺跡を発掘している岩手県教育委員会及び民俗学的・宗教史的観点からの平泉研究を行う研究者を擁するいわて高等教育コンソーシアムと連携し、各組織が有している特長や人材を生かし、平泉伝統文化の研究をさらに進展させて行きます。

海外研究機関としては、中国社会科学院考古研究所、浙江省文物考古研究所、福建博物院文物考古研究所、山東省文物考古研究所、西北大学文化遺産学院、山東大学歴史文化学院、曲阜師範大学孔子研究所及び中国孔子研究院など、すでに連携実績がある各機関と共同で研究を実施し、国内外から平泉文化の国際的意義について学際的に検討します。