Center for Cooperative Research and Development, Iwate University

研究名称: バイク用高強度耐摩耗性ピストンリング

研究者: 工学部材料物性工学科  堀江 皓 教授  

共同研究者: (株)日ピス岩手(岩手県千厩町)

「高強度耐摩耗性薄肉鋳物」の製造技術を確立し、筒吹き工法によるバイク用の高強度耐摩耗性ピストンリングを開発した。
筒吹き工法によるピストンリング
高強度で耐摩耗性のピストンリングを製造するには、従来一本ずつ鋳込む「一本吹き工法」でしか製造できなかった。しかし、一本吹き工法は、工程数がかかることや鋳込み重量に対して完成品重量はわずかに6.5%と歩留まりが悪く製造原価が増大し、量産が難しかった。一方、筒吹き工法は、一本吹き工法に比べて断面積が増えるため溶湯の冷却速度が遅くなり、凝固の際に炭素が鉄に溶けきれずに異常黒鉛として現れ、組織をもろくする問題があった。そこで希土類元素を一定量以上添加し、余分な希土類元素が凝固の際に鉄と炭素の化合物を安定させて黒鉛を出さず、チルと呼ばれる硬い材質をつくることに成功した。これによりバイク用リングで初めて筒吹き工法が可能となった。
■筒吹き工法による特長
  1. 工数が従来の1/3
  2. 製造コストが従来の1/2
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