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リエゾン-Iとは

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令和2年度リエゾンIマッチングフェア
~新技術説明会~

令和2年10月9日版

リエゾン-I参加研究機関の研究者が研究成果の実用化を目指して
最新の研究シーズ13件を発表いたします。
関心のある発表を選んでご参加いただけますし、
それぞれの発表後に発表者との名刺交換や相談の時間を設けます

いわて産学連携推進協議会(リエゾン-I)は岩手銀行、日本政策投資銀行、北日本銀行と県内13の研究機関で構成され、研究機関のシーズと企業のニーズとのマッチングを目指して毎年「リエゾン-Iマッチングフェア」を開催しています。 今年度のマッチングフェアはリエゾン-I参加研究機関の研究者が、県内企業での活用が期待されるもののまだ県内企業等との共同研究や県内企業等への技術移転に至っていない研究シーズや、県内企業に技術移転済み(技術移転中を含む)であるが他分野への展開が期待される研究シーズを中心に発表いたします。発表後には発表者と参加企業とのマッチングの機会を設けてコーディネートします。
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開催日時 令和2年11月5日(木)13:00~17:10

会場 盛岡市産学官連携研究センター(コラボMIU) (岩手大学理工学部敷地内)
(〒020-8551盛岡市上田4丁目3-5)
1階大会議室:研究シーズの発表
1階エントランスホール :発表後の名刺交換及び質疑応答
※発表映像をweb配信します。

参加費 無料

参加申込締切 10月23日(金)
申込書に必要事項をご記入の上、E-mail又はFAXにてお申込みください。 定員は50名ですので早めにお申込ください。
なお、当日参加は、コロナウィルス対策のため、お断りします。

主催者 いわて産学連携推進協議会(リエゾン-I)
県内研究機関のシーズと企業のニーズとのマッチングさせることにより新事業創出を図ることを目指しています

【構成機関】
〇研究機関会員:岩手大学岩手県立大学岩手医科大学一関工業高等専門学校農研機構東北農業研究センター岩手県工業技術センター岩手県農業研究センター岩手県林業技術センター岩手県水産技術センター岩手生物工学研究センター (10機関)

〇金融機関会員:岩手銀行日本政策投資銀行北日本銀行(3機関)


共催 岩手県、(公財)いわて産業振興センター岩手ネットワークシステム(INS)、岩手農林研究協議会(AFR)、いわて未来づくり機構

後援 岩手県中小企業家同友会盛岡工業クラブ東北地域農林水産・食品ハイテク研究会

リエゾン-Iマッチングフェア~新技術説明会~プログラム

〇主催者挨拶 (13:00~13:10)
リエゾン-I共同代表 岩手銀行 常務取締役 新里 真士
〇リエゾン-Iの紹介(13:10~13:30)
   リエゾン-I共同代表 岩手大学 理事・副学長 水野 雅裕

〇研究シーズの発表 (13:30~17:00)
【環境・エネルギー分野(ものづくり)】

1. (13:30~13:45)超音波切削技術の紹介
    一関工業高等専門学校未来創造工学科機械・知能系 准教授 原 圭祐
2. (13:45~14:00)天然資源材活用による環境調和型複合材料の開発
    (地独)岩手県工業技術センター機能材料技術部 専門研究員 樋澤 健太

【健康長寿分野(ものづくり、ソフトウエア)】

3. (14:00~14:15)咀嚼・嚥下を科学する生体工学技術
    岩手大学理工学部システム創成工学科機械科学コース 准教授 佐々木 誠
4. (14:15~14:30)健康な人から病気を学ぶ!異常音聴診システム
    岩手県立大学看護学部基礎看護学講座 准教授 三浦 奈都子
5. (14:30~14:45)高齢者や障がい者の観光を優しくサポート
    岩手県立大学ソフトウェア情報学部社会システムデザインコース 教授 阿部 昭博
6. (14:45~15:00)エアロゾルから術者・補助者を守る歯科顕微鏡治療用ケープ
    岩手医科大学歯学部生理学講座病態生理学分野 准教授 黒瀬 雅之

【15:00~15:15休憩】

【健康長寿分野(食品)】

7. (15:15~15:30)「三陸わかめ」認知症予防サプリメントの開発
    岩手大学理工学部化学・生命理工学科生命コース 准教授 尾﨑 拓
8. (15:30~15:45)燻製食品評価法と効率的燻製方法の開発
    (地独)岩手県工業技術センター食品技術部長 伊藤 良仁
9. (15:45~16:00)機能性表示食品開発のすすめ
    (公財)岩手生物工学研究センター生物資源研究部長(生物資源活用推進センター長) 矢野 明

【農林水産高度化分野(食品、農業)】

10. (16:00~16:15)夏秋どり向け四季成り性イチゴ新品種候補「盛岡37号」
    農研機構東北農業研究センター畑作園芸研究領域施設野菜・育種グループ 主任研究員 本城 正憲
11. (16:15~16:30)水田転換畑におけるプラウ耕体系による子実用トウモロコシ生産
    農研機構東北農業研究センター生産基盤研究領域栽培技術グループ 研究員 篠遠 善哉
12. (16:30~16:45)農作物におけるウイルス病害診断システム
    (公財)岩手生物工学研究センター園芸資源研究部 主任研究員 藤崎 恒喜
13. (16:45~17:00)マイクロ波抽出と簡易測定キットによる土壌蓄積養分の簡易評価手法
    岩手県農業研究センター生産環境研究部土壌肥料研究室 上席専門研究員 髙橋 良学

〇閉会(17:00~17:10)
    リエゾン-I事務局 岩手大学研究支援・産学連携センター副センター長 今井 潤




〇研究シーズの紹介

【環境・エネルギー分野(ものづくり)】

1.13:30~13:45 超音波切削技術の紹介
一関工業高等専門学校未来創造工学科機械・知能系 准教授 原 圭祐
【①新技術の概要】
切削時に刃先に超音波振動を与えて切削する技術で、工具の長寿命化、びびり振動の抑制,バリの抑制が期待できる。
【②想定業種】
各種機械工業全般
【③想定用途】
難削材(ステンレス鋼、チタン合金など)の高品位・高効率加工、焼入れ材、超硬合金の切削加工、微細模様の高速創生
【④従来技術・競合技術との比較】
放電加工などの特殊加工技術に比べ、加工精度が高く、コストも低く抑えられる。微細模様の加工においては,特殊なサーボ装置を用いずに加工が可能となる。
【⑤新技術の特徴】
旋削では既存の工作機械に対し改造の必要なく、比較的容易に設備導入ができるメリットがある。適用により、工具の長寿命化、構成刃先の抑制、びびり振動抑制などの効果が得られる。微細加工、高硬度材加工への適用も期待できる。

2.13:45~14:00 天然資源材活用による環境調和型複合材料の開発
(地独)岩手県工業技術センター機能材料技術部 専門研究員 樋澤 健太
【①新技術の概要】
近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が問題となっている。一方、ペーパーレス化に伴う紙媒体の需要低減のため、県産木材パルプの新たな活用方法の探索が求められている。これらの解決に向け、微生物により分解されやすいバイオプラスチックと木材パルプ繊維をシート状に積層し加熱圧縮成形により複合化することによって、強度が高く、環境にやさしい複合材料を開発している。
【②想定業種】
プラスチック成形加工業等
【③想定用途】
農業・漁業資材、日用品(食器類、トレー等)、構造部材(家電筐体等)
【④従来技術・競合技術との比較】
従来のガラス繊維強化プラスチックと比べ、木材パルプ繊維を使用しているため軽量性に優れ、サーマルリサイクルも可能。
【⑤新技術の特徴】
・純プラスチック材料の代替により、プラスチック使用量の低減に寄与
・オール植物由来素材使用で温室効果ガス削減に寄与(カーボンニュートラル)
・微生物による分解が可能で、土に還る(検証試験中)

【健康長寿分野(ものづくり、ソフトウエア)】

3.14:00~14:15 咀嚼・嚥下を科学する生体工学技術
岩手大学理工学部システム創成工学科機械科学コース 准教授 佐々木 誠
【①新技術の概要】
嚥下条件(一回嚥下量、物性値、嚥下強度等)の違いに伴うわずかな嚥下パターン変化や、X線透視下でなければ観察できない嚥下諸器官の運動、並びに加齢や疾患に伴う嚥下機能低下などを、前頸部生体信号から推定可能なAIベースの生体信号解析技術を開発しました。また、耳周辺のマルチモーダル生体信号情報から、咀嚼と嚥下を同時にモニタリング可能なウェアラブル技術も開発しました。咀嚼・嚥下の状態やその機能を評価しうる本技術は、食のQOLを支える次世代工学技術として幅広い展開が期待されています。
【②想定業種】
医療・福祉・介護・健康用などの機器
【③想定用途】
咀嚼・嚥下機能の評価・訓練、食事の見守り、介護記録の支援、食品の生体評価、嚥下困難者用食品の開発など
【④従来技術・競合技術との比較】
摂食嚥下におけるマルチモーダル生体信号計測技術に加えて、咀嚼・嚥下に関する特許を10件以上出願しており、独自の視点・手法で咀嚼・嚥下を科学します。
【⑤新技術の特徴】
新技術の一例として、前頸部で観測した舌骨上筋群の多点表面筋電図から、舌運動、開口、嚥下等をAIにより識別する手法を紹介します。また、舌骨上筋群と舌骨下筋群の筋活動を画像化し、深層学習による画像認識を適用することで、嚥下条件によって変化しうる嚥下パターンの違い(嚥下の対応力)を評価できることを示します。さらに、咀嚼と嚥下のモニタリング技術について紹介します。
【参考HP】http://www.mech.iwate-u.ac.jp/~makotosa/Research.html

4.14:15~14:30 健康な人から病気を学ぶ!異常音聴診システム
岩手県立大学看護学部基礎看護学講座 准教授 三浦 奈都子
【①新技術の概要】
医療従事者養成において必須の聴診演習を安価に可能にするため、例えば患者役の学生など健康な人の呼吸に同期させて、異常な状態の呼吸音を再現できるシステム。本システムでは、聴診器の追跡機能とスケルトン抽出機能を組み合わせることで、聴診器が当てられた身体の位置、順序、当てている時間の検出を実現している。
【②想定業種】
医療教材製造・販売業、医療専門書出版業、玩具メーカー ほか
【③想定用途】
医療従事者に対するシミュレーション教育、医療系学生に対するシミュレーション教育
【④従来技術・競合技術との比較】
・模擬患者の呼吸に同期させて、異常音を再現できるものは現在のところ本システムのみである。
・患者の全身や一部を模したシミュレータは既存のものがあるが、非常に高価である。
【⑤新技術の特徴】
・異常を発見する能力を養うためのシステム
・異常に対応する能力を養うためのシステム
・シミュレーションの再現性を高めるためのシステム
【参考HP】http://www-nurs.iwate-pu.ac.jp/kiso/index.html

5.14:30~14:45 高齢者や障がい者の観光を優しくサポート
岩手県立大学ソフトウェア情報学部社会システムデザインコース 教授 阿部 昭博
【①新技術の概要】
本技術は、高齢者や障碍者など身体的制約をもつ旅行者にウェアラブルデバイスを装着し、そこから取得できる心拍数等の身体情報、地形的特徴に関する地理空間情報を統合することで、ユーザの身体的制約(車椅子利用、杖が必要など)に合ったサポート情報をタイムリーに提供し、主体的な体調管理や安心な移動の支援を可能とする。
【②想定業種】
旅行、観光業、福祉施設ほか
【③想定用途】 高齢者等の旅行・観光支援、高齢者等の登山やハイキングの支援、福祉施設入居者の買物や散歩など外出支援
【④従来技術・競合技術との比較】
医療行為に含まれない範疇で、旅行者や同伴者が主体的に行う体調管理や安心な移動を福祉やユニバーサルデザインの観点で支援することに特化しているため、制度面や倫理面の障壁が低く、早期の事業化も可能。
【⑤新技術の特徴】
・主体的な体調管理のもとでの、安心・安全なツーリズムを支援
・車椅子利用などユーザの身体的特性と、動的な身体情報、地理空間情報を考慮した移動支援
・旅行会社や自宅家族、同伴者などが場所を選ばず旅行者の体調を見守り可能
【参考HP】http://www.si.soft.iwate-pu.ac.jp/

6.14:45~15:00 エアロゾルから術者・補助者を守る歯科顕微鏡治療用ケープ
岩手医科大学歯学部生理学講座病態生理学分野 准教授 黒瀬 雅之
【①新技術の概要】
新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大する中で、SARS-CoV-2の受容体を有する唾液腺から出る唾液が主たる感染源とされる。歯科医療の現場では、治療中の唾液の飛沫感染対策及びエアロゾル対策が喫緊の課題となっており、有効な対策とされる口腔外サクションは高額機器で一般開業医での導入は容易ではない。我々は、臨床医のニーズを基に飛沫及びエアロゾルから術者・診療補助者を守るケープとその有効性について提案する。併せて、抜歯技能習得に向けた新たなドライラボ用モデル(いわて戦略採択案件)についても提案する。
【②想定業種】
ビニール加工業、プラスチック成形加工業
【③想定用途】 ディスポーザブルな歯科治療時に用いる術野を覆うケープ、抜歯技能習得用モデル
【④従来技術・競合技術との比較】
視認性という点から術野を覆うケープは採用されていない。COVID-19の流行に符号するように気管挿管用ボックスや簡易型検体採取ボックスなどが続々と開発されているが、歯科での患者仰臥位には対応できない。
【⑤新技術の特徴】
飛沫粒子や細菌・ウイルスの飛散範囲を減らすことを目的とするため、患者の口を中心として底面を半径20から25cmの楕円形としたバルーンスカート様の形状とする。新技術では、歯科用顕微鏡を用いた治療スタイルを前提に、ケープを歯科用顕微鏡から吊した状態でケープの形状とその有用性を飛沫細菌コロニー数から検討した。

【15:00~15:15休憩】

【健康長寿分野(食品)】

7.15:15~15:30 「三陸わかめ」認知症予防サプリメントの開発
岩手大学理工学部化学・生命理工学科生命コース 准教授 尾﨑 拓
【①新技術の概要】
加齢とともに増える可能性の高い認知症やパーキンソン病は根本的な原因が不明で治療法が未だになく「神経難病」と呼ばれ、その原因として「タンパク質の異常蓄積」が挙げられています。その除去方法として天然糖トレハロースに着目して神経難病モデル動物に対して予備実験を行い効果を確認できました。一方「三陸産わかめ」にはトレハロースが多く含まれています。そこで「三陸産わかめ」から抽出したトレハロースによる効果の検証実験と認知症予防サプリメントの共同開発について提案します。
【②想定業種】
食品製造業、水産加工業
【③想定用途】
認知症予防サプリメントの他、トレハロースには保湿作用(化粧品)、タンパク質保護作用(手術用)があります。
【④従来技術・競合技術との比較】
市販のトレハロースは遺伝子組換作物から抽出しているため、「三陸産わかめ」由来のサプリメントが実用化されることでより安全で安心な商品となります。
【⑤新技術の特徴】
世界に先駆けて確立した「神経難病モデルマウス」にトレハロースを投与し、効果を確認しています。一方、認知症患者の脳の神経細胞内にα-シヌクレインというタンパク質が異常に蓄積していること、トレハロースが脳内の細胞内代謝を促進し、細胞内分解システムであるオートファジーを活性化することを見出しています。そこで神経難病モデルマウスに「三陸産わかめ」由来の天然糖トレハロースを投与しその効果を検証します。
【参考HP】http://www.se.iwate-u.ac.jp/teacher/ozaki-taku

8.15:30~15:45 燻製食品の香気評価法と効率的燻製方法の開発
(地独)岩手県工業技術センター 食品技術部長 伊藤 良仁
【①新技術の概要】
食材を冷却して燻煙をかけることによる効率的な新規燻製法を開発し、特許出願を行った。特願2017-60674:燻製食品の製造方法(株式会社門崎との共同出願)
【②想定業種】
食料品製造業
【③想定用途】
燻製食品の製造
【④従来技術・競合技術との比較】
単位時間あたりの燻製効率が向上する。また、食材が低温のまま加工されるため、衛生管理上、非常に好ましい。
【⑤新技術の特徴】
・燻製前に食材を-15℃以下に保持することにより、短時間で強い着香が得られる。
・-15℃以下に保持したハンバーグパテを凍結したまま燻製することで燻製香の付着性が向上する現象を機器分析においても確認されており、この現象はハンバーグパテ以外にも、鶏もも肉、チーズ、牛肉にも転用可能であった。
・燻製方法を電子スモークにした場合でも有効である。
【参考HP】http://www2.pref.iwate.jp/~kiri/study/newreport/H29newreport_2.pdf

9.15:45~16:00 機能性表示食品開発のすすめ
(公財)岩手生物工学研究センター生物資源研究部長(生物資源活用推進センター長) 矢野 明
【①新技術の概要】
多様な機能性関与成分の分析
【②想定業種】
食品加工業、一次産業 など
【③想定用途】
コロナ禍において、健康維持・増進に対する消費者の需要が急速に高まっている。総務省家計調査報告によれば、機能性食品等の通信販売額は、3月から毎月二桁増の伸びを示しているという(健康産業新聞)。岩手県に多い肥満や糖尿病などの基礎疾患を有することが新型コロナウイルス感染症の重症化リスクとなることや、リモートワークの普及により体を動かす機会が減少するとともに、自身の健康と向き合う機会が増えていることから、健康をサポートする機能性食品の開発等、新しい産業振興が重要である。
【④従来技術・競合技術との比較】
従来型の食品開発は、安心安全および美味しさとコストの追求が主であったが、機能性表示を行うことにより、健康維持・増進機能による高付加価値化・差別化が可能である。
【⑤新技術の特徴】
2017年に発足した「いわて農林水産物機能性活用研究会」では、県内の様々な1次産品やその加工品が有する、健康維持・増進機能を活用する取り組みを、産学官連携にて推進している。昨年度は、久慈産の「寒じめほうれんそう」について機能性表示食品としてのJA新いわてからの届出を支援し、「目の健康に貢献するルテインの機能性表示」を実現した。食品の新しい高付加価値化戦略として、機能性の活用を提案する。

【農林水産高度化分野(食品、農業)】

10.16:00~16:15 夏秋どり向け四季成り性イチゴ新品種候補「盛岡37号」
農研機構東北農業研究センター畑作園芸研究領域施設野菜・育種グループ 主任研究員 本城 正憲
【①新技術の概要】
端境期である夏秋期に収穫できる四季成り性のイチゴ品種です。夏でも比較的涼しい東北地方や北海道などの寒冷地・高冷地での栽培に向きます。マッチングフェアまでには品種名がつく予定です。
【②想定業種】
農業者、青果業者、ケーキ店等
【③想定用途】
国産イチゴの供給が少なく単価の高い夏秋期の出荷が可能です。夏季比較的涼しい立地では3t/10a以上の収量が見込めます。
【④従来技術・競合技術との比較】
東北地方北部では、収量はおおむね3t/10a以上に達し、東北農業研究センター育成の「なつあかり」に比べ平均2倍程度多い。また、糖度は既存品種と同程度以上に高く、硬度は「なつあかり」より高くなります。
【⑤新技術の特徴】
イチゴは生食・ケーキ用等に年間を通じて需要がありますが、夏秋期は国産イチゴの生産量が落ち込み、需要に供給が追い付いていません。「盛岡37号」は、端境期である夏秋期に収穫できる四季成り性のイチゴ品種であり、寒冷地や高冷地での栽培に向きます。夏季比較的涼しい立地では3t/10a以上の収量が見込めます。糖度は既存品種と同程度以上に高く、酸味もあり、甘酸っぱい食味が味わえます。

11.16:15~16:30 水田転換畑におけるプラウ耕体系による子実用トウモロコシ生産
農研機構東北農業研究センター生産基盤研究領域栽培技術グループ 研究員 篠遠 善哉
【①新技術の概要】
プラウ耕体系を導入することで、慣行法のロータリ耕体系より高速で作業することができ、台風による倒伏被害を軽減できます。その結果、プラウ耕体系ではコンバインによる収穫ロスが減少し、収量が多い傾向が認められます。プラウ耕体系で栽培した子実用トウモロコシの子実収量、飼料品質は、ロータリ耕体系と同等です。
【②想定業種】
農業者、飼料会社
【③想定用途】
近年増加傾向にある台風被害を軽減できます。国産の濃厚飼料として利用でき、畜産物の付加価値を期待できます。
【④従来技術・競合技術との比較】
従来技術のロータリ耕体系は、台風による倒伏被害のリスクが高く、高速作業に対応していません。競合技術は、不耕起体系が考えられますが、水田転換畑では雑草や排水性等について検討する必要があります。
【⑤新技術の特徴】
プラウ耕体系は、トウモロコシの生育と子実収量、品質を維持したまま、大規模農家や大区画圃場に対応した高速作業が可能です。プラウ耕体系ではトウモロコシの根が硬い土層に伸長するため、地上部を支える力が向上し台風等による倒伏リスクを軽減します。また、地面が硬いため、大型農業機械による作業性が向上します。プラウ耕体系では、土壌養分とトウモロコシの根が土壌表層に集中する傾向が認められます。

12.16:30~16:45 農作物におけるウイルス病害診断システム
(公財)岩手生物工学研究センター園芸資源研究部 主任研究員 藤崎 恒喜
【①新技術の概要】
農業現場ではウイルスに由来する農作物の原因不明症状がしばしば認められる。リンドウの新規ウイルス病害を中心に、ウイルス特異的分子(二本鎖RNA)の同定や次世代シークエンサーによる網羅的ウイルス診断、検定植物におけるウイルス増殖とウイルス検出、ウイルスの単離精製と病原性確認試験、当該ウイルスの簡易診断技術開発を組み合わせた迅速なウイルス診断システムの構築を行なっている。
【②想定業種】
病害診断受託業者
【③想定用途】
未知のウイルスも同定可能な網羅的ウイルス診断から、当該ウイルスを検出可能な簡易診断技術の開発までを含めた受託サービス

13.16:45~17:00 マイクロ波抽出と簡易測定キットによる土壌蓄積養分の簡易評価手法
岩手県農業研究センター生産環境研究部土壌肥料研究室 上席専門研究員 髙橋 良学
【①新技術の概要】
マイクロ波抽出で得られた抽出液のCOD値を簡易測定キットで測定することにより、土壌の可給態窒素量を簡易に評価することができる。また、同抽出液を用いて、土壌の可給態リン酸および交換性カリ含量が減肥基準に達しているかを判定することができる。
【②想定業種】
化学工業、業務用機械器具製造業、サービス業
【③想定用途】
土壌養分の診断試薬・機器類の開発、土壌養分の診断とコンサルティング
【④従来技術・競合技術との比較】
従来は3通りの抽出操作が必要であった土壌中の窒素・リン酸・カリの3項目の評価を、1つの抽出操作で実施可能とした。危険な試薬類は使用せず、従来より簡易かつ安全に土壌中の窒素・リン酸・カリを評価できる。
【⑤新技術の特徴】
・1つの抽出操作で、土壌中の可給態窒素、可給態リン酸、交換性カリの3項目の評価が可能な土壌抽出液を得ることができる。
・抽出には塩化ナトリウム水溶液を使用し、抽出液の評価には簡易水質検査キット等を用いることで、初心者でも簡易かつ安全に土壌中の養分含量を評価することができる。
・使用後の抽出液や水質検査キットは一般ごみとして廃棄可能であり、化学分析の設備が十分でない環境でも実施することができる。
【参考HP】http://www2.pref.iwate.jp/~hp2088/seika/r01/r01shidou_15.pdf


会場(コラボMIU)案内地図

当日はマスクの着用と手洗い等の対策をお願いします。また、当日、発熱等の症状がみられる場合は参加をご遠慮ください。
なお、コロナウイルス感染症の状況によっては変更や中止する場合がありますので、最新の詳細はホームページでご確認いただけます。


問合せ先 いわて産学連携推進協議会(リエゾン-I)事務局
    岩手大学研究支援・産学連携センター 担当:今井、小山
住所:盛岡市上田4丁目3-5  電話019-621-6490  E-mail: ccrd-ad@iwate-u.ac.jp