R6.9.28-11.17 公開講座 「こどもに関わる専門職を目指す人たちへ‐あそびを通したこどもの育ちを考える」(全5回)を開催いたしました

岩手大学地域社会教育推進室では岩手県立児童館いわて子どもの森との初コラボの公開講座を開催しました。

 

この講座は、こどもに興味・関心を持っている、こどもに関わる専門職をめざしたい!高校生と大学生世代を対象とした事業です。地域や家庭を含め幅広くこどもを捉えていく視座の形成、国連子どもの権利条約やこども基本法の理念などに込められたこども観の形成を図る。そして、あそびを通したこどもたちとの関わりを体験して、こどもの育ちとあそびの重要性を理解できるようにすることなどを目的目的に開催いたしました。

 

1日目 2024年 9月 28日(土) 
・ガイダンス/こどもの放課後とは
・こどもに関わる「オトナ」の意味
2日目 2024年  10月 14日(月・祝)
・こどものあそび・育ち・権利
 石巻市子どもセンターらいつ 吉川恭平
・「こどものまち」の取り組みから
 こどものまちミニひろさき実行委員 對馬 凛、
 あそぶぞはこだてっ子実行委員   白戸公紳、野呂花実、他
3日目 2024年 10月 26日(土) 
 ※いわて子どもの森の現地見学を兼ねる
 ・あそびと児童館
 ・「あそび場」での安全管理
 岩手県立児童館いわて子どもの森 プレーリーター 菅智美、佐藤星河
4日目 2024年 11月 10日(日) 
・あそびの企画と準備
5日目 2024年 11月 17日(日) 
・受講生たちが企画したあそびをいわて子どもの森にて実践する
総合ナビゲーター
 岩手大学 深作拓郎(たくろうおいちゃん)、
 岩手県立児童館いわて子どもの森 長﨑由紀(ゆっきぃ)

 

 岩手県内の高校生世代8名から申し込みがありました。
 

1日目と2日目は、「語りあい」を取り入れた座学が行われました。こどもの成長過程におけるあそびの意義や、教師や保育者以外にもこども支援専門職があること、こどもの権利について学びました。また、高校生・大学生世代が自分たちで企画・実践している「こどものまち」の取り組みについて、実行委員の高校生・大学生から事例紹介もありました。
 

3日目は、いわて子どもの森を見学し、大型児童館であそびを促進させるさまざまな工夫と安全管理について学びながら、受講生が企画し実践するあそびの構想を練りました。
 しかし、いざ具体的に企画をたてていくと、さまざまな課題が生じました。

 

4日目は、4時間悶絶しながらアイデアを出しあい、「おにぃさん・おねぇさんと Let`s キラキラ☆ハント」」というタイトルの企画にまとめあげました。館内にいる黒いマントをつけた高校生のおにぃさん・おねぇさんと勝負をしてキラキラなお宝をゲット!5回勝って受付に持って行くと、黒画用紙が貰えて、ゲットしたキラキラなお宝を張りつけると…、なんと星空に☆。
一カ所にとどまっての制作活動とかではなく、館内全体を活用した企画で、ゲーム性とストーリ性が盛り込まれた内容です。そして、最終日はいわて子どもの森にて実践。彼らはワクワクしながら準備を済ませ、いざ実践!3歳ぐらいから小学校高学年のこどもたち58名が参加してくれて大好評でした。

終了後の振り返り(省察)では、開口一番「手応えがあった」「楽しかった」とのコメントが。また、こどもたちに楽しんでもらえるよう、一人ひとりがさまざまな工夫をしていたことも報告されました。そして、受講生全員が満足感にあふれた表情で「またやりたい」と。
 

受講後のアンケートからは、
・こども観、こども援助職の視野の拡大が確認された
・あそびを企画・考案することの難しさ、その先にある達成感が得られていること
・座学(講義演習)での学びも活かされていること
・こどもの主体性や当事者性を担保することを理解し、あそびの企画にて実行していたこと
・あそびの重要性とあそびを企画するうえでの視座が形成されたこと
・受講者間で協力してあそび企画と実践がなされたことでの達成感が得られたこと
が確認され、講座の目的が達成されました。

この講座での経験が、大学や職業選択に留まらず、いわての地で地域の一員としてこどもと関わることができる人材の育成に寄与できればと考えております。