公開講座『哲学者 内山節氏を迎えての第12回「哲学の森」』を開催しました

開催日:平成29年8月19日(土)~8月20日(日)
場所:岩手大学農学部滝沢演習林

今年の「哲学の森」では内山氏より「国家が意味を失っていく時代に」、「現代世界と上野村の伝統回帰」、「私たちはどこに根を張ったらよいのか」の三つをテーマにお話を頂いた。
話の内容をごく大まかにまとめれば近代化の中で巨大システムとしての「国家」の限界を見定めつつ、地域ごとに異なる風土に規定された伝統への回帰が始まりつつあること、その上で私たちは近代社会の寄る辺のなさを乗り越えるために地域に根ざして生きていくことを重視すべきというお話であった。これらをもとに活発な議論が行われ、岩手の風土の表れとしての森や自然について、それぞれの暮らす地域社会をどうすべきか、その地域社会おいて私たちはこれからどう生きるべきかなどについて、それぞれが思いを深められたように感じられる。
二日目の朝には、演習林を散策しつつ、岩手の自然や風土についてあらためて確認し、さらに議論を深めることができた。

今回は多くの参加者を得ると同時に、車イスご利用の方や視覚に障害をお持ちの方などの参加も得ることができた。
全ての方に開かれた学びの場として利用して頂けるよう、事前の相談を密に行い、当日の対応にも細心の注意をはらった。
結果として、そうした参加者の皆さまからも好評を得ることができた。
今後も障害をお持ちの方を含め、多様な参加者をお迎えできるよう心がけるとともに、機会あるごとに施設のバリアフリー化なども進めていきたい。